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774(ナナヨン) > 約束しよう
今日から4ヶ月間は2歳お姉さん。 Happy BIRTHDAY!!!/| この絵のストーリーも考えたけど、やっぱりなんか文章にならない。 苺絵だけどお姉さんの余裕みたいなのが描きたかった。 今度は約束やぶらないように小指におまじない。 ※追記 Web拍手にてSSいただいたので以下転載してみます。2人ともなんだか凄く純粋で泣けてしまった… ありがとうございました! SSに合わせて絵もちょっとだけ修正。 --- 「今日誕生日だったんだね。俺、知らなくて…」 年下の少年が申し訳なさそうに差し出したもの。 大きなヒマワリの花に、斗貴子は小さく目を瞬かせた。 「こんなものしか準備できなくて……ゴメン」 鮮やかな山吹色、 太い茎に巻かれた水色のリボンが風に揺れる。 「…気にするな。私も今日が自分の誕生日だと言うことを、今の今まで忘れていたから」 淡々と事実を述べれば、カズキが顔を上げる。 「ずっと戦いの中に身を置いて――気が付けば、年齢も誕生日も意味をなくし、書類整理のために割り振られた番号のようなものだった。祝ったことなんて、ここ何年もない」 斗貴子はふわりと笑った。 「綺麗なヒマワリだ…、ありがとう。私はコレだけで十分嬉しいから」 少年の手から受け取った大きな花。 一輪しかなくても、それは彼の笑顔のようで、彼そのもののようで、彼女には本当に嬉しいから。 「ありがとう、カズキ」 「斗貴子さん…」 ただの女の子の笑顔を浮かべる彼女は年相応に見えて、何故か少年は泣きたくなる。胸をグルグル回る感情に名前をつけることも出来ないまま、カズキは手を伸ばした。 「ちょ、ちょっと?!」 腕の中で、慌てたような声が上がる。 それでもカズキは腕を緩めない。 「……斗貴子さん」 大好きな大好きな、年上のカノジョ。 「今年から、俺が毎年欠かさず祝うから」 耳元で囁かれ、暴れていた彼女の動きが止まった。 「ずっとずっと一緒にいるから。一緒に年をとるから」 「…カズキ?」 「斗貴子さんがこの世に生まれた大切な日、祝わせて…」 「…泣いているのか?」 涙もろい、優しい少年。 優しい少年は誰かの為に泣いて、誰かの為に怒ってくれる。 柔らかくて真っ白な心。 肩口に埋めた顔。頬に手を添えてあげさせれば、目元を赤くしたカズキと目が合う。 「ずっと?」 「ずっと一緒に居るから」 「本当か?」 「約束する」 戦士として生きるのを選んだのは、自分と出会う前の彼女。 凛と正した背と、護る戦いに身を置くが故の気迫。そして、押し殺された優しさ。 それら全てを開放してあげたい。 自分が傍にいる間だけでも、彼女を――護りたい。 あふれ出した感情が頬を伝う。 「キミは本当に…」 スカートのポケットから取り出したハンカチで涙を拭いてやり、年上の彼女は仕方ない、と笑みを浮かべる。 「馬鹿だな」 「?」 「一度約束を破っていること、もう忘れたのか?」 クリティカルヒット。 カズキに9999のダメージ。 土壇場でその手を離したことを思い出し、カズキが青くなったり白くなったりと百面相を始めた。 「ででででも、あれは〜〜〜」 「約束できる?」 「こ、今度は本当だから!」 「なら、こうしよう」 涙を拭いたハンカチを握り締め大声で宣言する少年に、斗貴子はそっと小指を差し出す。 「ユビキリ」 「うん」 絡めた小指と小指。 約束。 「もう二度と私の傍を離れない」 「俺はもう二度と斗貴子さんをおいてったりしない」 真剣な色を浮かべるカズキの目に引き寄せられるように、斗貴子は絡めた小指にキスをした。 「ずっと一緒だから…」 「…うん」 柔らかく温かいものが押し付けられる感触。 だがそれ以上に、彼女が彼を愛してくれているという実感。 「斗貴子さん」 「うん?」 「今の、プロポーズみたいだね」 「――恥ずかしいからそれ以上言わないように」 「あ、やっぱり思ってたんだ」 くすくすと笑う少年に釣られるように、斗貴子もヒマワリを手に笑う。 忘れられない、最初の誕生日になりそうだ。 そう思いながら。 ---
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